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所信表明

印刷用ページを表示する更新日:2015年6月24日更新 <外部リンク>

はじめに

市長本日ここに、平成27年第2回市議会定例会の開会にあたり、私の市政運営に対する所信の一端をご説明申し上げ、市議会並びに市民の皆さん方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

私は、この度の市長選挙におきまして、多くの市民の皆さんからのご支援により、引き続き市民の代表として市政の舵取りを担わせていただくことになりました。

市民の皆さんのご期待に応えられるよう、初心を忘れず、緊張感を持って、全力でまちづくりに取り組んでまいる所存であります。

それでは、私の市政運営にあたっての基本的な考え方を述べさせていただきます。

私のまちづくりのテーマは、“共に”であります。

現代は、大きく変化する社会情勢の影響により、人々の価値観やニーズは多様化、複雑化するとともに、これからの少子高齢化のさらなる進行や、急激な人口減少社会への移行に伴い、人と人、地域と地域との「つながり」の希薄化が心配される時代となってきています。

だからこそ、これからますます重要になるのは、連帯する力です。
共に支え合い、共に助け合い、共に分かち合う、“共に”の心であります。
これは、周南に息づく「もやいの心」です。
この心は、これからの日本のまちづくりのあり方の見本となる、大切な考え方ではないでしょうか。

これまで育んできた、この「もやいの心」で、「周南に住んでよかった」と心から思えるまちを、私は、これからも市民の皆さんと共に考え、共に創ってまいります。
“共に”創るまちは、「未来への素晴らしい贈り物」になります。
私たちの子供、そしてまたその子供といった、将来の市民へ、このまちを贈ることが、今を生きる私たちの大切な使命であります。

このまちづくりは、まだ動き始めたばかりです。
動きだしたまちづくりの歩みを決して後戻りさせることなく、次のステップへ飛躍させていかなければなりません。
私は、今取り組んでこそ価値のあることを、着実に進めてまいります。

近年、まちづくりにおいてシビックプライドという言葉が注目されています。
シビックプライドは、住民がそのまちに対して持つ誇りや愛着を意味しますが、単なる郷土愛やお国自慢とは異なり、住民がまちをおもう気持ちに加え、より良いまちにするための取り組みに関わろうとする、積極的な意識を合わせ持つものであります。

私が進める“共に”のまちづくりには、このシビックプライドは欠かせません。

まちづくりの主役は、市民の皆さんです。
こうした当事者意識を持つシビックプライドにより、市民の皆さんが、様々な形でまちづくりに関わっていただき、今の市民、将来の市民のためのまちづくりに、「オール周南」で取り組んでいく。これが私の目指す“共に”進めるまちづくりです。

皆さん、この素晴らしい周南市を未来へ贈るために、私と“共に”まちづくりを進めようではありませんか。

私は、まちづくりのリーダーとして、周南市が持つ様々な力をしっかりと引き出し、第2次周南市まちづくり総合計画の基本理念に掲げる「無限の市民力と最大限の行政力」を結集し、共に創る「共創」のまちづくりを実現するために、全身全霊で取り組んでまいりますので、これからも皆さんのご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

それでは、私の2期目の主な取り組みについてご説明申し上げます。

2期目の取り組み

安心して子育て・教育が受けられるまちづくり

まず、「安心して子育て・教育が受けられるまちづくり」についてでございます。

「子供は社会の宝」です。
子供の元気な笑い声が飛び交うまちは、活気に満ちあふれたまちでもあります。
将来を担う子供たちを、社会全体で育む環境づくりに取り組み、「子育てするなら周南」と言われるまちを目指します。

子育て中のお母さん方との話の中で、子供の医療費が負担になっているという声をよく伺います。

私は、「子供の健康を、社会全体で守りたい」「子育て世代の負担を、社会全体で支援したい」というおもいから、子供の医療費の無料化について、昨年8月、その対象を就学前までに拡大いたしました。こうした子育て世代の負担軽減に向けた施策をさらに充実させるため、来年4月から制度の拡充を図り、子育てしやすいまちづくりをしっかりと進めてまいります。

また、結婚や妊娠、出産を希望しているけれども様々な事情でその希望が叶わない方や、子育てに対する悩みを抱え支援を必要としている方に対しては、社会全体でサポートする仕組みづくりが必要です。
魅力あふれる人との出会いや子供を望む方々の願いを叶え、子育てに対する不安や負担を取り除き、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援を進めるために、今年度は「子育て応援ミーティング」を開催します。
子育て世代の方々の声を私が直接お聴きし、将来にわたり必要な支援策を構築していくことで、安心して子供を生み育てることができるまちを目指します。

また、次代を担う子供たちの能力を最大限に引き出すために、教育環境を充実させることも重要です。

そのために、まず、子供たちが学習に集中できる環境を整えていくことが必要であると考え、新たに中学校の普通教室へのエアコン設置に取り組むこととし、今年度は、先進事例や整備方法などを研究してまいります。

また、ICT教育の導入にも取り組みます。
情報化社会の中で、子供たちがその情報を正しく活用し、加速するグローバル化にも対応でき、時代にマッチした人材を育成していくために、ICT教育は必要不可欠です。
21世紀を生きる子供たちが必要な能力を身につけ、「生きる力」を育む教育に繋げてまいります。
その他、教育研究センターやコミュニティ・スクールについて、これまでの取り組みを着実に進めてまいります。

若者・女性が活躍できるまちづくり

次に「若者・女性が活躍できるまちづくり」についてでございます。

将来にわたり持続可能なまちづくりを進めていくには、若者や女性が活躍できる地域社会にしなければなりません。
そのため、若者や女性の能力をいかに引き出すか、またその能力を十分に発揮できる場をどのようにして創出するか、そして働きやすい環境とするためには何が必要かなどの視点をもって、起業化支援、就労支援、雇用の場の創出、さらにワーク・ライフ・バランスの推進や男性の育児参加のさらなる促進などに取り組んでまいります。

また、本市には、大学・高専・専門学校などの高等教育機関があります。
若者が多く集まる、周南の宝のひとつであります。
この特性を生かし、これらの機関とさらに連携し、学生たちに地域づくりやまちづくりに関わってもらうことで、若者の大きな活力を取り入れた、活気あふれるまちにするとともに、こうした活動により、若者たちが本市に、誇りや愛着を感じ、「このまちに住み続けたい」と感じるような取り組みを進めます。

そして、若者や女性がさらに活躍できる仕組みを、企業をはじめ様々な関係団体との連携のもとに構築してまいります。

市民の安心・安全の確保

次に「市民の皆さんの安心・安全の確保」についてでございます。

市民の皆さんの安心・安全を確保することは、行政に課せられた最大の使命です。

「今を生きる市民の皆さんに、安心・安全を提供したい」
「先延ばしすることで、将来の世代に負担を残さない」

私は、こうしたおもいを胸に、安心・安全の確保に関する事業を先送りすることなく、その基盤づくりにしっかりと取り組んでまいります。

まず、身近な生活に対する安心・安全の確保であります。
高齢者をはじめすべての人が安心して暮らせるよう相談体制の充実を図るため、庁内に設置している「福祉総合相談室」と「もやいネットセンター」を再編し、高齢者や子供、障害者、生活困窮者などに対応した総合的な福祉相談窓口を設置いたします。

また、高齢者の相談支援や見守り体制を強化するために、現在4箇所ある地域包括支援センターを北部地区にも開設するとともに、地域の見守り拠点「もやいネット地区ステーション」の市内全地区への設置を社会福祉協議会などと連携を図りながら取り組みます。

そして、民生委員・児童委員や福祉員、もやいネット支援事業者など、多くの皆さんと身近な地域における見守りの輪をさらに広げることで、共に支え合い、誰もが住み慣れた地域で安心して生活できるまちづくりを進めてまいります。

次に、災害に対する安心・安全の確保であります。

近年、甚大な浸水被害をもたらす大雨や集中豪雨が多数発生しています。
こうした被害を防止するため、二級河川西光寺川と合流する隅田川の治水対策を、県と連携して、早期完成を目指し積極的に取り組んでまいります。
また、市道中開作線の整備に併せた雨水幹線の整備など、市民の皆さんの生活を守るための雨水対策を計画的に行ってまいります。

災害時に市民の皆さんに情報をお伝えする「防災情報収集伝達システム」の整備も、着実に進めます。
4年前の東日本大震災の教訓のひとつとして、災害情報の迅速な収集伝達が、非常に重要であることが再認識されました。防災情報を収集し、正しい情報を迅速に市民の皆さんにお伝えするシステム整備は、「公助」として、我々行政がしっかりと行ってまいります。

さらに、災害が発生した際に、その対策の中枢となる市役所本庁舎の建て替えを進めます。将来を見据えた適切な規模を確保し、行政サービスをしっかり提供でき、災害時にはその対策本部として確実に機能する庁舎にするとともに、市民の皆さんに使っていただく会議室などの機能を加えることで、市民の交流の場としても親しまれる市役所にいたします。

また、老朽化に伴い解体する市民館の跡地は、庁舎建設中は、来る者駐車場などとして利用しますが、その後につきましては、本市の都心軸にふさわしいものに活用したいと考えています。
私は、その1つの案として、市民の皆さんの利便性を高めるために、現在市内に点在する国の機関を、この地に集約することについて検討したいと考えています。
そのために、まず、その可能性を国の関係機関に打診し、その意向を踏まえ、他の選択肢を含めた、メリット、デメリットを比較衡量するなど慎重に検討を進めてまいります。

市民館のホール機能につきましては、市民の皆さんからのご要望やご意見を真摯に受け止め、しっかりと検討してまいります。

まちの活力創造

次に、「まちの活力創造」についてでございます。

次世代に、活力あふれるこのまちを引き継ぐことは、今を生きる我々の責務であります。そのためにも地域資源を生かした、本市ならではのまちづくりを進めてまいります。

新幹線が停車し、多くの人が利用する徳山駅は、周南地域の公共交通の拠点であり、本市の重要な地域資源であります。こうしたことから、徳山駅前の周辺整備を進め、今年度から駅ビルを解体し、その核となる新たな駅ビルの建設に着手します。
この駅ビルは、おもてなしの場、市民の居場所、賑わいと交流の場の3つをコンセプトとし、民間の活力を導入した図書館を整備します。そして、新しい空間を提供することにより、交流や賑わいを創出する新しいまちのシンボルとして、着実に整備してまいります。

また、コンビナートの強化にも取り組みます。

産業として重要な地域資源である周南コンビナートは、本市の富の創造の源であります。
将来にわたり持続可能なまちづくりを実現するため、コンビナートの特性を生かした取り組みを、国や県、コンビナート企業の方々と共に進めてまいります。

そのため、まず、コンビナートの経済活動を支える環境整備に取り組みます。
国際バルク戦略港湾に選定されている国際拠点港湾「徳山下松港」の大水深化や用地造成など、港湾の物流基盤強化に向けた早期整備を国や県に引き続き強く要望するほか、企業の積極的な設備投資に向けた規制の緩和に取り組むなど、本市の企業立地環境のさらなる向上を目指してまいります。

また、「水素先進都市 周南」の推進にも取り組みます。
水素ステーションがオープンする今年を本市の水素元年として、水素の利活用を進める様々な取り組みをスタートさせ、地域資源である水素を核に、新たな事業や産業が生み出され、まちの活力の創造に繋がっていくよう積極的に取り組んでまいります。

コミュニティづくり

次に、「コミュニティづくり」についてでございます。

「市民一人ひとりが、住みなれた地域で、いつまでも笑顔で生き生きと暮らすことができる」まちの土台は、何といっても、それぞれの地域のコミュニティでございます。特に、災害や福祉といった面に関しては、地域における「共助」が欠かせません。

こうしたことから、コミュニティを強化し、特色ある地域づくりを推進していくための取り組みとして、現在策定中の「地域づくり推進計画」に基づき、市民の皆さんが地域づくりに参加しやすい環境整備を進めるとともに、がんばる地域や団体を応援する制度の創設を検討してまいります。

また、それぞれの地域が抱える課題について、公民館主事や支所職員だけでなく、部局を超えてその解決に向けた取り組みを進めていくため、地域に寄り添いながら支援していくことができる職員を育成してまいります。

さらに、地域づくりの拠点となる総合支所、支所、公民館の整備も進めてまいります。
その際、「地域の夢プラン」などを基に、地域の方や利用者と一緒になって協議する場を設け、皆さんと共に考えていくことが重要であり、公共施設再配置計画におけるモデルとして、まず、和田地区と長穂地区の施設整備を進めていきたいと考えています。

安定した行財政基盤の確立

最後に、「安定した行財政基盤の確立」についてでございます。

将来にわたり必要な行政サービスを提供し、持続可能なまちづくりを実現するためには、安定した財政運営と、堅実な行政運営を行っていく必要があります。

平成30年度をもって、国の合併支援措置が終了します。
今後は、「自立したまちづくりを実現するための行財政改革のさらなる推進」を基本目標とする、第3次行財政改革大綱を着実に推進していかなければなりません。
歳入の根幹である市税等の安定した収納に努めるとともに、財源確保に向けた取り組みの充実、強化に努めてまいります。
また、財政運営の基本である、「歳入に見合った歳出」を徹底し、事務事業の見直しを引き続き進めるとともに、民間活力の導入など、業務や費用の適正化と効率化に努めます。

老朽化が進むインフラや公共施設への対応は、必要な市民サービスの維持や、市民の皆さんの安心・安全にも関わる大きな課題です。
効率的な運用と維持管理コストの低減に努めるとともに、公共施設再配置計画に基づき、計画的な修繕による施設の長寿命化と財政負担の平準化を図ってまいります。

以上が、2期目となるこれからの4年間で取り組む主な内容でありますが、はじめに申し上げましたとおり、これまで取り組んできたまちづくりは、まだ動き始めたばかりであります。
こうした中、市議会をはじめ、市民の皆さんと共に策定した、「第2次周南市まちづくり総合計画 しゅうなん共創共生プラン」が本年度よりスタートいたしました。
まちづくりへの課題が山積する中で、私の責任において、動き始めたこれまでの取り組みを後戻りさせることなく、「人・自然・産業が織りなす 未来につなげる 安心自立都市 周南」の実現に向けて着実に取り組み、周南市のまちづくりを次のステップへと進めてまいります。

おわりに

今回の選挙を通じて、なんとたくさんの市民の方が、まちに対して誇りと愛着をお持ちなんだろうと、私は改めて、強く感じました。
「こんな風にしたら、周南市はもっと素晴らしくなります」
「市長、一緒にやりましょう」
こうした市民の方々の熱いおもいは、私に勇気と希望を与えてくれました。
この勇気と希望をしっかりと胸に抱き、私は市長として、これからも、まちづくりに邁進してまいります。

皆さん、“共に”動き出しましょう。
アイデアを分かち合うことで、見えてくる、新しい周南の姿があるはずです。
“共に”力を合わせてこそ感じられる喜びがあります。

皆さんが、まちのために、生き生きと活動している。
子供からお年寄りまで、みんな笑顔で輝いている。
そんな周南市を“共に”創りたいのです。

輝いていくのは、私ではなく、市民一人ひとりです。
私は、それを支えるリーダーでありたい。

私は、着実に、堅実に、今取り組んでこそ価値があることを、進めてまいります。
公平であること。公正であること。
そんな当たり前のことを、当たり前のように実践している市政を私は叶えたい。

改めて皆さんに、市長として、そのチャンスをいただきました。
私にはやるべきことがある。
愛する周南のために、精一杯、汗が流せる。
これほど幸せなことはありません。

市長に木村健一郎を選んで、本当によかった。
皆さんに心からそう思っていただける市政をめざします。

“共に”
この言葉から、周南のまちづくりの次の一歩を、皆さんと踏み出します。

議員をはじめ、市民の皆さんのご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げます。

平成27年6月24日

周南市長 木村 健一郎