職員紹介 vol.7―― 土木技術
※所属は掲載当時のものです。
周南市との出会いは偶然
民間企業で10年間、橋を架ける仕事に携わっていましたが、家庭の事情で個人的には縁もゆかりもなかった周南地域に引っ越すこととなりました。転職先として自身の経験を活かせる職場を探したところ、市が社会人経験者対象の土木技術職員を募集していたことが受験のきっかけです。
受験中も転職するか悩んでいましたが、採用試験で周南市に足を運ぶ毎に、これから住む地域に貢献したいという想いが強くなりました。当時を振り返ると周南市との出会いは偶然でしたが、生活環境の変化が新しいチャレンジにつながったと思います。
「地図に残る仕事」であり、「人の思い出も守る仕事」
土木は、社会資本(インフラ)を通じて人に間接的にサービスを提供する仕事です。大別すると「まちづくり」と「維持管理」があり、現在、私は橋の維持管理を担当しています。
日常生活では意識することの少ない「当たり前の生活を支える橋を当たり前に守る」仕事であるため、一見すると成果の見えづらい職種です。「今日も安全に橋を渡れます!」という良い話はなかなかニュースソースになりませんが、当たり前の生活を縁の下で支える仕事に魅力を感じています。また、仕事のフィールドが生活圏内にあるため、その成果を日常生活の中で味わえることがやりがいにつながっています。
周南市には、建設されてから移設されることなく100年近く供用している「松室大橋」という橋があります。色々な条件下では国内最古となる橋で、それなりに老朽化も進んでいました。この橋の補修工事を担当した時、地域の方々から色々な話を聴くことができました。橋は地域生活を支える道路施設の一つに過ぎませんが、地域に根付く構造物であるからこそ人それぞれの想いがあります。私は、この工事を通して、土木の仕事は、「地図に残る仕事」というだけでなく、「人の思い出も守る仕事」であると感じることができ、仕事のやりがいを再確認することができました。ちなみに、松室大橋は補修後に「有形文化財」として登録され、周南市にとって特別な財産となりました。
橋守隊-土木インフラを楽しみながらメンテナンス-
産(民間)・官(行政)・学(学校)・民(住民)の有志で構成する団体で、橋の清掃や点検を「楽しみながら」行うことで、インフラメンテナンスの重要性や土木の魅力を伝える活動を不定期に開催しています。活動が評価され、国が募集した「第1回インフラメンテナンス大賞」において国土交通大臣賞を受賞しました。
この活動は、その気になれば、「いつでも・どこでも・誰でも・簡単に」日常生活の延長線上で取り組める活動です。将来的に特別な活動として取り上げられることなく、色々な地域で色々な形となって、空気のような当たり前の活動となる日まで仲間とコツコツ取り組んでいきたいと思っています。皆さんも共に活動しませんか?
皆さんへのメッセージ
社会は日進月歩であり、公務員の仕事はAIやロボットに置き換わると言う人もいます。確かにAIやロボットの方が向いている業務もあるかもしれません。しかし、実際は行政の仕事の幅は広く、市民の多種多様なニーズの中、「公務員」は益々重要になります。まだまだ、基本を学ぶ半人前ですが、上司や後輩の助けを借りながら、柔軟に対応できる変人(変わることができる人・変化を恐れない人)になりたいと思っています。
市役所における土木の仕事は、自分達のまちの将来を考えて形にしていくこと、当たり前の生活を当たり前に守ることです。
これまで市民生活を支えてきた財産(インフラ)を負の遺産としないようにしっかり守りながら、新しい価値・魅力あるまちを創出し、共に未来に引き継いでいきませんか。
一日のスケジュール
8時30分 始業 メールチェック、担当内打合せ
9時00分 現場立会 後輩の担当工事の施工状況を確認(工事監理のポイントを共有)
11時00分 書類作成
12時00分 昼休み
13時00分 設計業務打合せ コンサルタントと補修設計の打合せ
15時00分 現地立会 担当する補修工事の施工状況を確認 併せて近くの橋の点検
17時15分 終業