周南市で働く市外出身の方々と「共に。カフェ」を開催しました
平成30年度第7回「共に。カフェ」の様子
周南市が働く場・ビジネスの場となったきっかけ
市長 周南市が働く場・ビジネスの場となったきっかけを教えてください。
参加者A 私の生まれは九州です。転勤で周南市に赴任して来ました。
参加者B 私は関東で生まれ、美容師として働いていましたが、仲間と一緒に起業してヘアサロンを経営することになり、仲間の故郷であった北九州市にお店を開きました。それから着実に支店を増やしていく中で、福岡県外にもお店を出す計画が持ち上がり、広島は遠すぎるので、まずは山口県内で出店先を探しました。いくつかの候補地の中でも、周南市が、新幹線の駅があって交通の便が良いことと、その頃整備中の「徳山駅前図書館」で今後のまちの賑わいが期待できたことなどから、出店を決めました。
お客さんからは、「よく、こんなまちに出店したね」と言われます。しかし私は、一定の人口規模があることや、大手チェーン店が進出していないなど、外から見れば周南市への出店にメリットを感じていました。
参加者C 私の生まれは関西で、最初に周南市に来たのは、医療法人の経営のお手伝いをするためでした。そこでの仕事を終え一旦は関西に戻っていましたが、周南市で働いている時に知り合った方々からの要請もあり、民間施設として担う「地域包括ケアシステム」の拠点づくりに周南市で挑戦することとしました。医療と介護に加えて地域活動も連携する、サービスの域を越えた繋がりづくりは東京と大阪でも展開しており、「まちづくり総合計画」を見て周南市でも取り組んでみたいと思いました。
参加者D 私は東京で育ち、東京で働いていましたが、仕事で周南市の会社社長と知り合い、その社長に声をかけていただいて周南市に働きに来ました。東京の会社の業務も「リモートワーク」で進めながら、周南市の会社で専用サイトの編集長として取材から執筆、サイトの校正などの仕事をしています。仕事でお会いする方から「よく、こんなまちに来たね」と言われますが、WEB関連の仕事を長く続けているので、パソコン1台あれば仕事場は選ばないとの考えを元々持っていました。また、東京の会社の上司から「地方を壊さずに地方でビジネスをする」ことを学んでいましたので、実際地方に行って実践してみたいと思っていました。
参加者E 私は関東で生まれ、調理師免許を取得して関東で働いていました。いろいろな飲食店で働くうちに「ピザ職人」になりたいと思うようになった頃、当時働いていたお店が周南市に本社を置く会社の系列店だったので、周南市でピザ専門店のオープニングスタッフを募集するチラシが貼られていて、それを見て周南市で修業することを決意しました。
周南市の印象
市長 周南市で暮らしてみて、まちにどのような印象を持たれましたか?
参加者A 九州や沖縄での勤務を経験しているので、いくつかの街を見ていますが、周南市に来て最初に印象に残ったのは、JR徳山駅前から山に向かって走る「広い御幸通り」です。信号機のない横断歩道で事故が起きないことも、すごいと思いました。私が赴任した頃に「徳山駅前賑わい交流施設」も建設中で、まちが生まれ変わろうとしていることが感じられました。
また、周南市は気候が穏やかだと感じます。県内でも、他の支店に電話すると、こちらは降っていないのに電話先は雪だったことがよくあります。
参加者B 周南市に出店した当初は、東京や北九州市などの都会で使っていた経営上の戦略が通用しなくて苦労しました。しばらくして、根を張った営業活動にも力を入れたことで、事業を軌道に乗せることができました。周南市のお客さんは、1度信用していただくと長くお付き合いをさせていただけます。
参加者D 周南市に住んでみて、バランスのとれたまちだと感じています。徳山駅前の都会的な空間から海や山などの豊かな自然に触れ合える場所まであり、また満員電車に苦しむことのない住みよいまちだと感じています。
周南市民の気質
市長 皆さんは周南市民と接して、どのように感じておられますか?
参加者C 真面目な人が多いと感じています。
参加者A 仕事でも、トラブルが少ないと感じています。
参加者D 真面目で穏やかですが、芯を曲げない人も多いと感じます。
参加者C 市の職員さんも、真面目な人が多いと感じます。ただ、担当業務のことは大変詳しいですが、他業務のことになると持っている情報が少ないと感じます。私は医療と介護と中心市街地の活性化が連携してそれぞれが向上することを目指しています。市役所にも、視野の広い職員さんが多くなると良いと思います。
周南市の強み、弱み
市長 市外からみて、周南市の強みや弱みは何ですか?
参加者A 周南市の強みは、新幹線の駅があることだと思います。新幹線が使えて、さらに「のぞみ号」も停車する「徳山駅」は、住民にとって公私にわたって便利な存在であり、大きなメリットです。
参加者B 周南市の弱みは、他のまちに比べて水道料金が高いことです。特にヘアサロンは水をたくさん使うので、その影響は大きいです。ただ、ごみの処分費用は安いので、その部分では助かっています。
参加者C 私は周南市を「もったいないプレイス」と呼んでいます。新幹線の駅、4つの高速道路のインターチェンジ、国東半島行きのフェリー乗り場、大学や工業高等専門学校などの高等教育機関、その他たくさんの地域資源に周南市は恵まれています。しかし、これらの横の繋がりが弱いため、本来ならもっとすごい力が出せるのに、出し切れていないと感じています。私が周南市に進出した決め手は、この高いポテンシャルに魅力を感じたところもあります。
これからの医療や福祉の分野は、商業やまちづくりと連携することで良好なサービスを継続することができ、さらに新たな付加価値を生みます。自分達だけでなく、他事業との関係性を大切にしていきたいです。
参加者D 周南市で働いて感じていることは、「情報発信がWEBだけでは完結しない」ということです。WEBでの反応や閲覧件数が良くても、実際には人が動いていないと感じることがあります。人の動き方が東京と違い、周南市はWEBより口コミの方が人が動きます。
参加者E お店を開く際には、故郷の関東と、妻の実家がある周南市の二択で迷いましたが、周南市に決めた理由の1つに「海に近い立地」が挙げられます。私の実家は内陸に位置していますので、海に面している周南市の方が、新鮮な海産物をお店で取り扱うためには有利です。周南市に来た頃、スーパーマーケットにふぐが売っているのを見て驚いたことが忘れられません。
まちが発展するためには
市長 周南市で改善した方が良いと思われていることはありますか?
参加者A 新幹線駅があるまちの強みを生かした若者の定住対策として、新幹線の定期券への助成が考えられると思います。新幹線を使えば広島には短時間で移動できるので、周南に住みながら広島で働くことも可能です。
また、徳山駅前広場で気になるのが、時計がないことです。駅前広場は待ち合わせの場所として利用されたり、公共交通の利用者が行き来するので、時計があると便利だと思います。
市長 若者定住のために行う新幹線通勤者への助成は、現在取り組んでいる他の施策との組み合わせを考えながら検討しています。
また、駅前広場は空間デザイン上、開放感あるスペースを確保しています。なお、このデザインは東京駅前をデザインしたチームによるものです。
参加者B 中心市街地での起業をさらに促進させるために、「テナントミックス推進事業費補助金」の対象地域を広げたら良いと思います。「御幸通り」より西側には、うどんやラーメンなど美味しい飲食店が多いので、このエリアに出店したいと思う人も多いかと思います。
市長 「テナントミックス推進事業費補助金」のほか、創業を支援する補助金に区域の設定などの要件を見直してほしいという意見は伺っており、研究しているところです。
参加者D 私は、WEBでの情報発信に課題があると思います。個々のお店や団体、イベントは素晴らしいのに、業種や属性の違う人達には伝わっていないことが多いので、情報が一元化されると良いと思います。また、スマートフォンに対応していないサイトがあったり、あるジャンルで「これを見れば情報が得られる」というサイトがなかったりと、WEBでの情報発信が弱いと感じています。新しくポータルサイトをつくるか、または、みんなで協力して情報を共有し合うか、解決策はいくつかあると思います。
参加者C それぞれの団体が、熱い想いを持って活動をされていますが、その情報が伝わっていないのはもったいないです。また、WEBでの情報収集が便利になれば、移住者も助かると思います。
市長 求めている人に情報が伝わるようにしなければなりませんね。
ニーズのマッチング
参加者E 飲食店にとっては、食材の調達をするために生産者の情報がほしいものです。私も開店当時はそれらの情報を探していましたが、なかなか得ることができませんでした。ところが最近になって、実は私が住む地区内に新規就農者がいることを知りました。生産者の情報を収集できるようになれば良いと思います。
参加者D 東京で、弁当を求める企業と弁当屋さんのマッチングサイトを立ち上げたことがあります。Eさんのように食材を求めておられる飲食店と農家さんを繋ぐサイトを立ち上げたいですね。
参加者E そうしたサイトがあると助かります。
市長 本市では、トマト、いちご、わさびの3品に力を入れています。是非メニューに取り入れてください。