徳山方面の文化財
42.四熊板碑
銘文から応安7年(1374)に建てられたことがわかる板碑です。僧侶の指導によって庶民が力を合わせて建てたと考えられ、また地蔵像の彫法など石造美術の面からも非常に価値があります。
所在地:四熊(庄原)
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43.上年(じょうねん)五輪塔
嘉元元年(1303)の銘がある五輪塔です。その銘から、個人の供養のために建てられたとも考えられます。高さに比べて横幅が広く安定感があり、県内の鎌倉時代の遺品として規模も最大で立派なものです。
所在地:上村(西南野中)
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44.岩屋寺笠塔婆(いわやじかさとうば)
中世に盛んに造られた石造塔婆の一種です。昭和53年に丸山共同墓地から発見され、その後岩屋寺に移されました。この地域には中世の石造塔婆が数多く残され、庶民にも仏教が強く信仰されていたことが分かります。
所在地:下上2214(岩屋)※岩屋寺
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45.木造聖観音菩薩立像
鎌倉時代に作られた寄木造りの像です。観音菩薩は衆生救済のため様々な姿に変化しますが、もとの姿を聖観音と呼びます。巳年ごとに開帳され、周防三十三観音霊場の第16番札所として崇敬されています。
所在地:下上2214(岩屋)※岩屋寺
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46.木造大日如来坐像
藤原時代末期の特徴がよく表れた一木造りの像です。もと別所大日堂に安置されていたといわれています。県内で金剛界大日如来像の作例は珍しく、またこの地方の密教の流布をうかがい知ることができる貴重な資料です。
所在地:上村1967(中山)※蓮宅寺
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47.杉元相(すぎもとすけ)父子の墓所
陶氏の後に野上庄の領主となった杉元相とその子元宣の墓所で、2基の宝篋印塔(ほうきょういんとう)が並んでいます。興元寺(こうげんじ)は元相が菩提寺として創建した寺です。元宣は天正17年(1589)に毛利氏に謀られて最期を遂げたといわれています。
所在地:徳山5122(上一ノ井手)※興元寺
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48.興元寺のイチョウ
市内最大のイチョウの雌木です。山口県内でも有数の巨樹で、幹には数個の小さい「ちち」といわれる気根が垂れています。
所在地:徳山5122(上一ノ井手)※興元寺
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49.木造如意輪観音菩薩輪王坐像
南北朝時代の作と思われる寄木造りの像です。周防三十三観音霊場の第14番札所で、辰年に開帳されます。寺伝では、観音堂の灯りを見た心のやましい者の船は進路を間違えたため、興元寺山から現在地に降ろしたといいます。
所在地:徳山4718(福田寺原)※福田寺
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50.徳山毛利家墓所
初代徳山藩主毛利就隆から12代元靖までの歴代当主とその妻子の墓96基が祀られています。
近世大名の葬制を知るうえで非常に貴重であり、城下町徳山の歴史を語るうえで重要な史跡です。
所在地:慶万町
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51.銅造洪鐘(こうしょう)
鎌倉時代の技法をよく表している洪鐘です。元暦元年(1184)、壇ノ浦合戦直前の戦の際に流矢が当たった鐘と、造り直した鐘を合わせて、改めて元応2年(1320)に造り直したことが銘文に記されています。
所在地:遠石2丁目1408※遠石八幡宮
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52.慈福寺宝篋印塔
3メートルを超える県下に類を見ない宝篋印塔です。鎌倉時代に建てられたと思われます。『防長寺社由来』の記載から、足利尊氏が九州に向かう際に、生前に自分の供養のために建てた「逆修墓」であるともいわれています。
所在地:桜木2丁目7-35※慈福寺
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53.銅造阿弥陀如来立像
いわゆる善光寺式三尊の中尊です。もとは両脇に観音菩薩と勢至菩薩があって、それを本尊の後につけられた舟形の光背がつつんでいました。創建当時はこの阿弥陀三尊が本尊でしたが、明治20年の火災の時に両脇侍と光背が失われたと考えられます。
鎌倉時代に造られた善光寺式三尊の阿弥陀如来として、この地方では少ない立派なものです。
所在地:平和通1丁目31
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54.金銅柄香炉(こんどうえこうろ)
金銅造(銅や青銅に金メッキする技法)の柄をつけた香炉です。真言密教の修法において礼拝するときに用います。技法は極めて丁寧で立派で、香炉の蓋は線刻で蓮華唐草文様がめぐらされ、柄は中央に細長く唐草文様が線刻されています。
柄の裏に、陰刻で「奉寄進境智院願主後藤宗福山口永禄二年卯月廿八日」と彫られており、製作者や製作年がはっきりとわかり貴重なものです。
所在地:下上2214(岩屋)※岩屋寺
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55.神上(こうのうえ)神社文書
神上神社に残されていた中世から近世にかけての古文書30通で、市内では最古級のものです。陶氏や毛利氏など時の権力者と神社との関係が記されており、特に陶氏に関する文書は残存するものが少なく、大変貴重です。
所在地:下上1054※神上神社
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