【消費生活の知恵】入居時が大切!!賃貸住宅の「原状回復」トラブルに注意しましょう
入居時が大切!!
賃貸住宅の「原状回復」トラブルに注意しましょう
事例1
2年間居住した、敷金礼金不要の賃貸アパートを退去した。退去時の費用として、ハウスクリーニング代、フローリング修復代など合計10万円の請求書が管理業者から届いた。ハウスクリーニング代は契約書に特約として記載があるので支払うつもりだが、クリーニング代に含まれているエアコンの清掃代については「室内に喫煙の形跡が残っている場合のみ」と契約書に書いてある。自分は喫煙していないので、エアコン清掃代は支払いたくない。また、フローリングは入居時に既に複数の傷があった。納得できない。
事例2
20年以上住んだ賃貸マンションを退去した。退去時の立会いで、管理業者と清掃業者から、壁やふすまなどの傷について指摘された。入居前からあった傷だと言ったが、業者が最近ついた傷だと強い口調で言うので怖くて反論できず、敷金以上の差額分を請求すると言われた。入居時に既に傷があったと証明できるものはないが、原状回復費用として傷の修繕費用は負担しないといけないか。
アドバイス
「原状回復」とは、借主の故意・過失や不適切な管理などによって賃貸住宅に生じた傷や汚れ(損傷)などを元に戻すことで、その費用は借主の負担になります。しかし、借主の責任によるものではない損傷など、普通に使っていて生じた傷み(通常損耗)、年月の経過による傷み・不具合など(経年変化)については、原状回復を行う義務はありません。ただ、貸主が用意する賃貸借契約書によっては、この原則と異なる定めが置かれることがあるため、契約前に、原状回復に関する借主の負担についてよく確認しましょう。
賃貸借契約は長期間になることが多く、原状回復が問題となる退去時は契約してから時間が経過しています。そのため、入居時の状況がわかるような記録が残っていないと、問題となっている損傷などが通常損耗や経年変化にあたるかどうか、客観的な判断が難しいことがあります。入居前には室内の状況について貸主立会いのもとしっかり確認しましょう。部屋の各所を写真に撮り保存しておくと、退去時のトラブル防止に役立ちます。
トラブル回避のポイント
・契約時には、契約内容の説明をよく聞き、契約書類の記載内容を十分に確認しましょう
・入居時には、賃貸住宅の現在の状況をよく確認し、記録に残しましょう
・入居中にトラブルが起きたら、すぐに貸主側に相談しましょう
・退去時には、精算内容をしっかり確認し、納得できない点は貸主側に説明を求めましょう
関連情報
国民生活センター 住み始める時から、「いつか出ていく時」に備えておこう!-賃貸住宅の「原状回復」トラブルにご注意- <外部リンク>
(令和5年3月1日掲載)
不安に思ったとき、困ったときには、早急に相談しましょう。
市消費生活センター TEL:0834-22-8321
消費者ホットライン TEL:188 (いやや)