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ガソリン携行缶を安全に取り扱うための注意事項

印刷用ページを表示する更新日:2017年5月10日更新 <外部リンク>

ガソリンは揮発性が非常に高く、蒸気は空気より重いため、低温環境下においてもガソリン携行缶の蓋を開けると可燃性蒸気が出て、静電気火花のような小さな火源でも火災になる可能性があります。

また、平成25年8月15日に発生した福知山花火大会火災を踏まえ、消防研究センターが行った夏季にガソリン携行缶を直射日光の当たる場所に置いた実験等から、携行缶内の液温は約55℃まで上昇するとともに携行缶内圧も上昇することがわかっており、その状態でガソリン携行缶の蓋等を開放するとガソリン内部に気泡が発生(低沸点成分が沸騰)し、大量の可燃性蒸気が携行缶外に排出されることも確認されました。

さらに発電機の排気口近傍にガソリン携行缶を置いた実験等では、携行缶内の液温は約90℃まで上昇し、その状態で蓋等を開放すると激しい突沸現象が起きて、大量のガソリンが開口部から噴き出す危険性が高いことも確認されました。

これらのことを踏まえると、ガソリン携行缶を安全に取り扱うためには、次の事項に注意する必要があります。

1.ガソリン携行缶は、直射日光の当たる場所や高温の場所に置かないこと

夏季はもちろん、それ以外の時期でも直射日光の当たる場所や高温の場所にガソリン携行缶を置くと、ガソリン液体または可燃性蒸気が大量に噴き出す可能性があるため、日陰の風通しの良い場所にガソリン携行缶を置くことを徹底する必要があります。

なお、ガソリン携行缶の蓋やエア抜きの締め方が緩いとガソリン携行缶周辺に可燃性蒸気が出続けて危険なので、使用後は確実に締めることも重要です。

2.ガソリン携行缶を取り扱う場合は、周囲の安全確認とエンジン停止を徹底すること

ガソリン携行缶を取り扱う場合は周囲に火源になりそうなものがないことを確認するとともに、万が一、火災になっても延焼拡大や人的被害が生ずるおそれがないことを確認する必要がある。特にガソリン携行缶を用いて発電機等にガソリンを注油する際には、ガソリン携行缶の蓋を開ける前に発電機等のエンジンを停止することが必要です。

3.ガソリン携行缶の蓋を開ける前に、エア抜きを行うこと

日陰の風通しの良い場所にガソリン携行缶を置いてあっても、外気温の上昇に伴いガソリン携行缶内の圧力が高くなっている可能性があり、ガソリン携行缶の蓋の開放に伴い可燃性蒸気が噴き出す可能性があることから、ガソリン携行缶の蓋を開ける前に、少しずつエア抜きを行うことが望ましい。また、エア抜きはガソリンをスムーズに注油するための空気取入れ口を確保する意味でも有効なので、エア抜きのあるガソリン携行缶にあっては注油前に積極的にエア抜きを行うことが重要です。

ただし、直射日光や発電機の排気口等によりガソリン携行缶が暖められている場合は、ガソリン携行缶の蓋の開放のみならずエア抜きも厳禁です。直ちにガソリン携行缶を周囲に火気や人がいない日陰の風通しの良い場所に移動させ、ガソリン温度が常温程度まで下がる6 時間程度はおいた後に、ゆっくりとエア抜きをすることが必要です。なお、ガソリン携行缶内部が高温・高圧になっている場合は、ガソリン携行缶の外側が熱くなっていたり、ガソリン携行缶の蓋が固く開けにくくなっている場合があることにも注意してください。