農地所有適格法人以外の法人等
1 農地所有適格法人以外の法人等とは
農地所有適格法人以外の法人等とは、農地法(昭和27年法律229号)第6条の2第1項に規定する報告を要する「農地所有適格法人以外の者」のことで、「者」を「法人等」に置き換えています。
したがって、農地所有適格法人以外の法人等とは、農地等(農地および採草放牧地をいいます。以下同じ。)に使用貸借による権利または賃借権が設定される場合の、使用貸借による権利または賃借権を取得しようとする農地所有適格法人以外の法人または個人(その世帯員等も含め、その取得後において行う耕作または養畜の事業に必要な農作業に常時従事すると認められない場合に限ります。)のことで、簡単にいうと「農地所有適格法人以外の法人または農作業常時従事要件が認められなかった個人」になります。
農地所有適格法人以外の法人等は、一定の要件を満たすことにより、農地等の使用貸借による権利または賃借権を取得できます。
・農地法第6条の2第1項に規定する報告を要する農地所有適格法人以外の法人等 [PDFファイル/99KB]
2 農地所有適格法人以外の法人等の要件審査
農地所有適格法人以外の法人等の要件の審査は、農地法第3条第1項の許可申請や農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第18条第1項に規定する農用地利用集積等促進計画の作成の時点で行われます。
周南市農業委員会では、農地法第3条第1項の許可申請の際に、農地等権利移動許可申請書に添付された書類等により、農地所有適格法人以外の法人等の要件を確認します。
3 農地所有適格法人以外の法人等の要件
農地所有適格法人以外の法人等は、平成21年の農地法改正以前は農地等の権利取得が認められていませんでしたが、この改正により、農地等を解除条件付きで借りる場合に限り、権利取得できるようになりました。
解除条件付き貸借の要件
解除条件付き貸借は、次の3つの要件のすべてを満たす必要があります(農地法第3条第3項)。
ア 貸借契約書に解除条件が付されていること(農地法第3条第3項第1号)
(農用地利用集積等促進計画では、農地中間管理事業の推進に関する法律第21条第2項に解除できる旨の規定があります。)
農地等権利移動許可申請書に添付された貸借契約書またはこれに類する書類(以下「契約書」といいます。)の写しにより、申請者がその取得後においてその農地等を適正に利用していない場合には、貸借契約を解除する旨の条件(解除条件)が契約書に記載されているかを確認します。
さらに、貸借を解除して撤退した場合の混乱を防止するため、次の(ア)から(エ)までの事項が契約上明記されているか、(ア)から(エ)までの事項その他撤退した場合の混乱を防止するための取決めを実行する能力があるかについても確認します。
(ア)農地等を明け渡す際の原状回復の義務は誰にあるか。
(イ)原状回復の費用は誰が負担するか。
(ウ)原状回復がなされたときの損害賠償の取決めがあるか。
(エ)貸借期間の中途の契約終了時における違約金支払の取決めがあるか。
イ 地域の他の農業者と適切に役割分担し、継続的・安定的に農業経営が行われること(農地法第3条第3項第2号)
(農用地利用集積等促進計画では、農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第3号イに規定されています。)
申請者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれることは、(ア)および(イ)に掲げる方法により確認を行います。
(ア)「適切な役割分担の下に」とは、おおむね次のa、b、cをいい、農地等権利移動許可申請書に添付された営農計画書の記載内容により、さらに、これらを記載した確約書が農業委員会に提出されることによっても確認します。
a 農業の維持発展に関する話し合い活動への参加
b 農道、水路、ため池等の共同利用施設の取決めの遵守
c 獣害被害対策への協力
(イ)「継続的かつ安定的に農業経営を行う」とは、機械や労働力の確保の状況等からみて、農業経営を長期的に継続して行う見込みがあることをいい、営農計画書の記載内容により確認します。
・営農計画書 [PDFファイル/112KB]
・確約書(営農計画書添付用・役割分担確認用) [PDFファイル/151KB]
ウ 業務を執行する役員等の1人以上が、法人が行う耕作(養畜)の事業に常時従事すること(法人の場合)(農地法第3条第3項第3号)
(農用地利用集積等促進計画では、農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第3号ロに規定されています。)
申請者が法人である場合にあっては、その法人の業務を執行する役員または使用人のうち、1人以上の者がその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事すると認められることは、次の(ア)、(イ)、(ウ)に留意し、農地等権利移動許可申請書に添付された法人調書、定款または寄附行為の写しおよび組合員名簿または株主名簿の写しにより確認を行います。
(ア)「業務を執行する役員または使用人のうち、1人以上の者がその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事すると認められる」とは、業務を執行する役員(以下「業務執行役員」といいます。)または重要な使用人(以下これらを「業務執行役員等」といいいます。)のうち1人以上の者が、その法人の行う耕作または養畜の事業の担当者として、農業経営に責任をもって対応できるものであることが担保されていることいいます。
(イ)「耕作または養畜の事業に常時従事する」とは、農作業に限定されるものではなく、営農計画の作成、マーケティング等の企画管理労働も含むこととします。
(ウ)「業務執行役員等」とは、会社法上の取締役のほか、支店長、農場長、農業部門の部長その他いかなる名称であるかを問わず、その法人の行う耕作または養畜の事業に関する権限および責任を有し、地域との調整役として責任を持って対応できる者をいい、権限および責任を有するか否かの確認は、法人の登記事項証明書、その法人の代表者が発行する証明書、その法人の組織に関する規則(使用人の権限、責任の内容および範囲が明らかなものに限ります。)等で行うこととします。
4 解除条件付き貸借を許可しようとするときの市長への通知
農業委員会は、解除条件付き貸借の許可をしようとするときは、総会に議案を上程するまでに、その旨を市長に通知します(農地法第3条第4項)。
通知を受けた市長は、市の区域における農地等の農業上の適正かつ総合的な利用を確知する観点から、必要があると認めるときは、農業委員会に意見を述べることができます。
5 農地所有適格法人以外の法人等の報告の義務
次に掲げる農地等の使用貸借による権利または賃借権の設定等を受けた農地所有適格法人以外の法人等は、毎事業年度の終了後3か月以内に、農業委員会に農地等の利用状況報告書を提出して、事業の状況等を報告しなければなりません(農地法第6条の2第1項・旧農地法(農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律(令和4年法律第56号)第5条の規定による改正前の農地法をいいます。以下同じ。)第6条の2第1項)。
(1)農地法第3条第3項の規定により同条第1項の許可を受けた者
(2)農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第3号に規定する者(農用地利用集積等促進計画により利用権の設定等を受けた者)
(3)旧農業経営基盤強化促進法(農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律第1条の規定による改正前の農業経営基盤強化促進法をいいます。以下同じ。)第18条第2項第6号に規定する者(農用地利用集積計画により利用権の設定を受けた者)
(4)旧農地中間管理事業の推進に関する法律(農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律第2条の規定による改正前の農地中間管理事業の推進に関する法律をいいます。以下同じ。)第18条第5項第4号に規定する者(農用地利用配分計画により利用権の設定等を受けた者)
・農地等の利用状況報告書 [PDFファイル/217KB]
農地等の利用状況報告書 [Wordファイル/44KB]
6 農地所有適格法人以外の法人等の要件の適合状況および農地等の適正利用の把握
農業委員会は、農地等の使用貸借による権利または賃借権の設定等を受けた農地所有適格法人以外の法人等ごとに、その農地所有適格法人以外の法人等が解除条件付き貸借の要件を満たしているか、および満たさなくなるおそれがないか、ならびに農地等を適正に利用しているかについて確認するため、5の報告書の内容を、農地所有適格法人以外の法人等要件確認書に取りまとめ備え付けておきます。
また、報告書の内容のみならず、日常業務等を通じて得た情報についてもこの確認書に取りまとめます。
7 解除条件付き貸借についての農業委員会による勧告・許可の取消し・あっせん等
(1) 勧告(農地法第3条の2第1項)
農業委員会は、報告書の内容、日常業務等を通じて得た情報等から判断して、農地法第3条第3項の規定により同条第1項の許可を受けた農地所有適格法人以外の法人等が、地域の営農状況等に著しい被害を与えていないかを十分確認し、次のような場合には、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずべきことを勧告します。
ア 農地等において行う耕作または養畜の事業により、周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生じている場合(例えば、病害虫の温床になっている雑草の刈取りをせず、周辺の作物に著しい被害を与えている場合等をいいます。)
イ 地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行っていないと認める場合(例えば、担当である水路の維持管理の活動に参加せず、その機能を損ない、周辺の農地の水利用に著しい被害を与えている場合等をいいいます。)
ウ 法人である場合にあっては、その法人の業務執行役員等のいずれもがその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事していないと認める場合(例えば、法人の農業部門の担当者が不在となり、地域の他の農業者との調整が行われていないために周辺の営農活動に支障生じている場合等をいいいます。)
なお、この「相当の期限」とは、講ずべき措置の内容、生じている支障の除去の緊急性等に照らして、個別具体的に設定されるものですが、上記の状況を可能な限り速やかに是正するために必要な期限とします。
また、この「勧告」は、総会の議決を経て、勧告書により行います。
(2) 許可の取消し(農地法第3条の2第2項)
農業委員会は、農地法第3条第3項の規定により同条第1項の許可を受けた農地所有適格法人以外の法人等が次のいずれかに該当する場合には、農地等の貸し手に対して使用貸借または賃貸借の契約の解除を行う意思を確認し、契約の解除が行われない場合には、農地法第3条第1項の許可を取り消します。
ア 農地等を適正に利用していないと認められるにもかかわらず、使用貸借または賃貸借の解除をしないとき。
イ 農業委員会の勧告に従わなかったとき。
なお、この場合には、行政手続法(平成5年法律第88号)第3章の規定により聴聞等の手続きを行います。
また、この「許可の取消し」は、総会の議決を経て、許可処分の取消指令書を当該農地等の貸付者および借受者の双方に交付して行います。
(3) あっせん等(農地法第3条の2第3項)
農業委員会は、解除条件に基づき使用貸借または賃貸借の契約が解除されたり、農地法第3条第1項の許可の取消しがなされた農地等について、適正かつ効率的な利用が図られないおそれがある場合は、農地等の所有者に対して、その農地等についての所有権の移転または使用および収益を目的とする権利の設定のあっせん、農地中間管理機構を活用するなどの働きかけを行います。
8 農地中間管理機構への通知
農業委員会は、報告書の提出のあった農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第3号に規定する者(農用地利用集積等促進計画により利用権の設定等を受けた者)または旧農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第4号に規定する者(農用地利用配分計画により利用権の設定等を受けた者)が、次のいずれかに該当する場合は、その旨を農地中間管理機構に通知します(農地法第6条の2第2項・旧農地法第6条の2第2項第2号)。
(1)農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第3号または旧農地中間管理事業の推進に関する法律第18条第5項第4号規定する次に掲げる要件に該当しない場合
ア 地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
イ 法人である場合には、その法人の業務執行役員等のうち一人以上の者がその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事すると認められること。
(2)農地等を適正に利用していない場合
(3)正当な理由がなくて農地等の利用状況報告書を提出しない場合
通知を受けた農地中間管理機構の処理
農地中間管理機構は、上記の通知を受けたときは、県知事の承認を受けて、農用地等に係る賃貸借、使用貸借または農業経営等の委託の解除をすることができます(農地中間管理事業の推進に関する法律第21条第2項・旧農地中間管理事業の推進に関する法律第21条第2項)。
9 市長への通知
農業委員会は、報告書の提出のあった旧農業経営基盤強化促進法第18条第2項第6号に規定する者(農用地利用集積計画により利用権の設定を受けた者)が、次のいずれかに該当する場合は、その旨を市長に通知します(旧農地法第6条の2第2項第1号)。
(1)旧農業経営基盤強化促進法第18条第3項第3号に規定する次に掲げる要件に該当しない場合
ア 地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれること。
イ 法人である場合には、その法人の業務執行役員等のうち一人以上の者がその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事すると認められること。
(2)農地等を適正に利用していない場合
(3)正当な理由がなくて農地等の利用状況報告書を提出しない場合
市の処理等
ア 勧告
市長は、旧農業経営基盤強化促進法第18条第2項第6号に規定する者(農用地利用集積計画により利用権の設定を受けた者)が、次のいずれかに該当するときは、相当の期限を定めて、必要な措置を講ずべきことを勧告することができます(旧農業経営基盤強化促進法第20条の2第1項)。
(ア)その農用地において行う耕作または養畜の事業により、周辺の地域における農用地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生じているとき。
(イ)地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行っていないとき。
(ウ)法人である場合には、その法人の業務執行役員等いずれもがその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事していないとき。
イ 農用地利用集積計画の権利の設定に係る部分の取消し・その旨の公告等
市は、次のいずれかに該当するときは、農業委員会の決定を経て、農用地利用集積計画のうち賃貸借または使用貸借による権利の設定に係る部分を取り消さなければなりません(旧農業経営基盤強化促進法第20条の2第2項)。
(ア)農用地利用集積計画により利用権の設定を受けた者が、農用地を適正に利用していないにもかかわらず、賃貸借または使用貸借の解除をしないとき。
(イ)アの勧告を受けた者がその勧告に従わなかったとき。
市は、この取消しをしたときは、遅滞なくその旨を公告しなければなりません(同条第3項)。
この公告があったときは、取消しに係る賃貸借または使用貸借は解除されたものとみなされます(同条第4項)。
ウ 農業委員会のあっせん等
農業委員会は、旧農業経営基盤強化促進法第18条第2項第6号に規定する条件に基づき賃貸借もしくは使用貸借が解除された場合またはイの農用地利用集積計画の取消しがあった場合において、その農用地の適正かつ効率的な利用が図られないおそれあるときは、その農用地の所有者に対し、その農用地の利用権の設定等のあっせんその他の必要な措置を講ずるものとします(旧農業経営基盤強化促進法第20条の2第5項)。
10 周南市農業委員会農地所有適格法人以外の法人等の要件審査及び報告手続等の係る事務処理要領
以上の農地所有適格法人以外の法人等の要件審査および報告手続きその他関連する事務について、周南市農業委員会では、周南市農業委員会農地所有適格法人以外の法人等の要件審査及び報告手続等に係る事務処理要領(令和6年10月10日施行)を定め、運用しています。
・周南市農業委員会農地所有適格法人以外の法人等の要件審査及び報告手続等に係る事務処理要領 [PDFファイル/511KB]




