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農業収入における減価償却費の計算について

印刷用ページを表示する更新日:2023年12月21日更新 <外部リンク>

農業用の建物・車両・農機具等で、購入価額が10万円以上のものについては、資産ごとに決められた耐用年数に応じて減価償却費を計算し、経費とする額を決定します。なお平成19年分より、特に平成19年4月1日以降取得したものについては計算方法が変更されておりますのでご注意ください。
償却の方法には定額法と定率法があり、定率法についてはあらかじめ税務署への届出が必要です。農業においては定額法が一般的です。

計算方法(定額法)

 (ロ)償却の基礎になる金額×(ハ)償却率×(二)本年中の償却期間×(チ)事業専用割合=(リ)本年分の必要経費算入額
((イ)取得価格 (※改正) (使用月数/12)×100%または90%)
(※改正)

  • (イ)取得価額   資産を取得した時の価額。共有資産の場合は持分で計算します。
  • (ロ)償却の基礎になる金額   平成19年4月1日以降 に取得したものについては取得価額の100%で計算します。
    (※改正)平成19年3月31日までに取得したものについては取得価格の90% で計算します。
  • (ハ)償却率   資産によって耐用年数が定められており、耐用年数によってそれぞれ償却率が定められています。
    (※改正)平成19年4月1日以降に取得したものにつきましては償却率が改正されています。別添「主な資産の耐用年数及び償却率表」をご覧下さい。
  • (二)本年中の償却期間   初年度の場合、取得月から12月までの間を月単位で計上し、最終年度は1月から耐用年数の終了月までの間を計上します。1カ月未満の端数は1カ月として計算します。
  • (チ)事業専用割合   資産を農業用と自家用とで兼用している場合、農業に使用している割合を決め、あん分して経費とします。

平成19年4月1日以降に取得したもの

(計算例)平成20年7月に120万円の軽四貨物自動車を購入した場合。(農業での使用割合は50%)
(ロ)償却の基礎になる金額を取得価額の100%で計算します。例では以下のような計算となります。
(イ)1,200,000円 × 100% × (ハ) 0.25 ×(二) (12月分の6月) × (チ)50% = (リ)75,000円
20年分の必要経費として算入できる額は75,000円です。償却を終了するまでの計算は以下のようになります。

 
年分 (イ)




(千円)
( ロ)
償却
の基
礎に
なる
金額
(千円)
(イ)
×
100%




(年)
(ハ)



(%)
(二)







(ホ)
本年
分の
普通
償却

(千円)
(ロ)
×
(ハ)
×
(二)
(ヘ)





(円)
(ト)
本年
分の
償却
費合

(千円)
(ホ)

(へ)
(チ)






(%)
(リ)
本年
分の
必要
経費
算入

(円)
(ト)
×
(チ)
(ヌ)





(円)
20 1,200 1,200 4 0.25 12分の
6月
150 0 150 50 75,000 1,050,000
21 1,200 1,200 4 0.25 12分の
12月
300 0 300 50 150,000 750,000
22 1,200 1,200 4 0.25 12分の
12月
300 0 300 50 150,000 450,000
23 1,200 1,200 4 0.25 12分の
12月
300 0 300 50 150,000 150,000
24 1,200 1,200 4 0.25 12分の
6月
150 0 150 50 74,999 1

「(ヌ)未償却残高」については、「新たな償却の方法」により耐用年数経過時点において1円(備忘価額)まで償却することとされました。(※改正)

平成19年3月31日までに取得したもの

(計算例)平成19年2月に80万円の軽四貨物自動車を購入した場合。(農業での使用割合は60%)
従来どおり、「(ロ)償却の基礎になる金額」を取得費の90%で計算します。
(イ)800,000円 × 90% ×(ハ) 0.25 ×(二) 12分の12 × (チ)60% =(リ) 108,000円
20年分の必要経費として算入できる額は108,000円です。償却を終了するまでの計算は以下のようになります。

 
年分 (イ)




(千円)
( ロ)
償却
の基
礎に
なる
金額
(千円)
(イ)
×
90%




(年)
(ハ)



(%)
(二)







(ホ)
本年
分の
普通
償却

(千円)
(ロ)
×
(ハ)
×
(二)
(ヘ)





(千円)
(ト)
本年
分の
償却
費合

(千円)
(ホ)
+
(ヘ)
(チ)






(%)
(リ)
本年
分の
必要
経費
算入

(千円)
(ト)
×
(チ)
(ヌ)





(千円)
19 800 720 4 0.25 12分の
11
165 0 165 60 99 635
20 800 720 4 0.25 12分の
12
180 0 180 60 108 455
21 800 720 4 0.25 12分の
12
180 0 180 60 108 275
22 800 720 4 0.25 12分の
12
180 0 180 60 108 95
23 800 720 4 0.25 12分の
1
15 40 55 60 33 40


「(ヘ)特別償却費」は取得費の5%の額で、償却最終年において「(ロ)償却の基礎になる金額」を全額償却した後、「(ト)本年分の償却費合計」の最高額を超えない範囲(この場合18万円)で算入できます。
「(ヌ)未償却残高」は取得費から償却済額を引いた額を記入し、償却終了後はその達した年分の翌年分以降において、次の算式により計算した金額を減価償却費として償却を行い、1円まで償却します。
(取得価額−取得価額の95%相当額−1円)÷5=減価償却費
※計算方法については、平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産の均等償却(既に耐用年数を経過しているもの)を参考にしてください。

一括償却

取得費が10万円以上20万円未満の減価償却資産についてはその3分の1の金額を取得後3年間の各年の必要経費とすることができます。これを一括償却といいます。
(計算例)平成20年6月に15万円の噴霧器を購入した場合(農業での使用割合は100%)
(イ)150,000円 ×(ハ)3分の1 × (チ)100% = (リ)50,000円
20年分の必要経費として算入できる額は50,000円となります。

年分 (イ)




(千円)
( ロ)
償却
の基
礎に
なる
金額
(千円)
(イ)
×
100%



(ハ)



(%)
(二)







(ホ)
本年
分の
普通
償却

(千円)
(ロ)
×
(ハ)
(ヘ)





(円)
(ト)
本年
分の
償却
費合

(千円)
(ホ)
+
(ヘ)
(チ)






(%)
(リ)
本年
分の
必要
経費
算入

(千円)
(ト)
×
(チ)
(ヌ)





(千円)
20 150 150 - 3分
の1
- 50 0 50 100 50 100
21 150 150 - 3分
の1
- 50 0 50 100 50 50
22 150 150 - 3分
の1
- 50 0 50 100 50 -

※いずれの場合も、計算上の端数が発生した場合、切り上げて差し支えありませんが、償却最終年の償却額で調整を行います。

平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産の均等償却(概に耐用年数を経過しているもの)

(計算例)平成15年2月に40万の軽四貨物自動車を購入した場合。(農業での使用割合は100%)
必要経費が取得価格の95%に達したのち、残存価額の5%を5年間で均等償却することになります。
(イ)(取得価格の95%相当額)(400,000円−380,000円−1円)÷5 =(ヘ)4,000円

年分 (イ)




(千円)
( ロ)
償却
の基
礎に
なる
金額
(千円)
(イ)
×
90%




(年)
(ハ)



(%)
(二)







(ホ)
本年
分の
普通
償却

(円)
(ロ)
×
(ハ)
×
(二)
(ヘ)





(円)
(ト)
本年
分の
償却
費合

(円)
(ホ)
+
(ヘ)
(チ)






(%)
(リ)
本年
分の
必要
経費
算入

(円)
(ト)
×
(チ)
(ヌ)





(円)
15 400 360

4

0.25 12分の
11月
82,500 0 82,500 100 82,500 317,500
16 400 360 4 0.25 12分の
12月
90,000 0 90,000 100 90,000 227,500
17 400 360 4 0.25 12分の
12月
90,000 0 90,000 100 90,000 137,500
18 400 360 4 0.25 12分の
12月
90,000 0 90,000 100 90,000 47,500
19 400 360 4 0.25 12分の
1月
7,500 20,000 27,500 100 27,500 20,000
20 400 360 4 0.25 4,000 4,000 100 4,000 16,000
21 400 360 4 0.25 4,000 4,000 100 4,000 12,000
22 400 360 4 0.25 4,000 4,000 100 4,000 8,000
23 400 360 4 0.25 4,000 4,000 100 4,000 4,000
24 400 360 4 0.25 3,999 3,999 100 3,999 1

※注意1平成19年に取得価格の90%に達しますので、特別償却費の5%を加算しますが、その際は「(ト)本年分の償却費合計」の最高額を超えない範囲(この場合9万円)までしか加算することができません。
※注意2平成20年から、残存価格の5%を5年間で均等償却することになります。未償却残高が1円になるまで償却しますので、平成24年の減価償却費は、3,999円となります。

農業収入の申告用書類

  1. 収支内訳書(農業所得用)〔A4用紙〕
    国税庁のホームページ<外部リンク>をご参照ください。 
  2. 雑所得(農業)収支内訳書 [PDFファイル/237KB]〔A4用紙〕
    →農業収入を雑所得として申告する場合は、こちらをご利用ください。            
  3. 収支内訳書(農業所得用)の計算書 [PDFファイル/359KB] 〔A3用紙〕
    →収支内訳書を作成する際、計算に必要な方はご利用ください。

関連リンク

農業収入の申告について
農業収入の必要経費

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