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農地法による農地等の権利移動

印刷用ページを表示する更新日:2026年6月1日更新 <外部リンク>

1 農地等の権利移動の許可制度(農地法第3条)

農地または採草放牧牧地(以下「農地等」といいます。)を耕作の目的または養畜の事業のための採草もしくは家畜の放牧の目的(以下これらを「耕作目的」といいます。)で権利移動(売買・贈与等)や権利設定(使用貸借・賃貸借)をする場合には、農地法(昭和27年法律第229号)第3条により農業委員会の許可が必要です。
これは、資産保有や投機目的など「耕作目的」以外での農地等の取得等を規制するとともに、農地等を効率的に利用できる人に委ねることをねらいとしています。

許可を受けないで行った売買(貸借)は効力が生じない(農地法第3条第6項)とされており、売買(貸借)契約を締結して対価を支払ったとしても、農地法による許可が受けられないと所有権等は取得できませんので、契約を締結するときには、このことを十分に理解した上で行うことが必要です。

2 許可の対象

対象

農業委員会に許可申請

・農地等の貸し借りの契約
・農地等の売り買いの契約
・競売
・公売
・贈与
・相続人以外への特定遺贈

対象でない

権利の設定、移転ではないため農業委員会に許可申請する必要はありません。
ただし、届出が必要な場合があります(4を参照)。

・相続
・法人の合併
・法律行為の無効、取消
・債務不履行による解除
・共有持分の放棄
・時効取得
・権利放棄

 

3 許可不要なもの(農地法第3条第1項ただし書)

許可不要
(主なもの)

農業委員会の許可は不要です(許可申請する必要はない)が、各制度に基づいた手続きは必要です。
ただし、届出が必要な場合があります(4を参照)。

・国または県が権利を取得する場合
・土地改良法等による交換分合
・農地中間管理事業の推進に関する法律の農用地利用集積等促進計画による権利の設定移転
・民事調停による権利の設定移転
・土地収用法による権利の収用または使用
・遺産の分割による権利の設定移転
・農地中間管理機構があらかじめ農業委員会に届け出て農地売買等事業の実施により権利を取得する場合
・農地中間管理機構があらかじめ農業委員会に届け出て農地中間管理権または経営受託権を取得する場合
・包括遺贈または相続人に対する特定遺贈による権利の設定移転

4 届出が必要なもの(農地法第3条の3)

次の理由で農地等の権利を取得した場合、権利を取得したことを知った日から、おおむね10か月以内に、農業委員会に届出することされています。

 

・相続
・遺産分割
・包括遺贈
・相続人に対する特定遺贈
・法人の合併・分割
・時効取得       等

 ・相続等による農地等の権利取得届出書 [PDFファイル/139KB]
  相続等による農地等の権利取得届出書 [Wordファイル/38KB]

この制度は、農業委員会の許可の「対象でない」、あるいは「許可不要」な農地等の権利取得について、これを契機とする耕作放棄地の発生を抑制するため、農地等の貸し借りや売り買い等を促すなど、農地等の有効活用を促進することを目的として、農業委員会において農地等の権利移動に関する情報が把握できるように設けられたものです。

なお、この届出は、農地法第3条第1項本文に掲げる権利取得の効力を発生させる(例えば、届出をしたことにより時効による権利の取得が認められる)ものでありません。

5 農地法に基づく農地等の売り買い、貸し借りの手続き

 
(1)許可申請についての相談 農業委員会事務局では、許可申請書(添付書類も含みます。)の書き方等の相談に対応しています。
(2)許可申請書の受付 農業委員会事務局で、許可申請書と添付書類の受付をします。
(3)申請内容の審査

農業委員会事務局が許可申請書等に記載漏れがないか等を確認します。
全部効率利用要件(6(1)ア)及び地域との調和要件(6(1)エ)については、農業委員と農地利用最適化推進委員による現地調査を行います。

(4)総会 農業委員が審議し、許可・不許可を決定します。
(5)許可指令書等の交付 許可指令書または不許可指令書を交付します。

 ・農地等権利移動許可申請書 [PDFファイル/345KB]
  農地等権利移動許可申請書 [Wordファイル/68KB]

6 許可の要件

農地等を利用する者(買い手、借り手)には、利用するための要件が定められており、それは「基本の要件」と「解除条件付き貸借の要件」に整理できます。

 
農地等を利用する者 買い手 借り手
個人・法人の別 個人 農地所有
適格法人
個人 農地所有
適格法人
農地所有適格
法人以外の法人
(1)基本の要件
(2)解除条件付き貸借の要件 ○※

※ 基本の要件の中の農作業常時従事要件が認められなかった個人に限る。

(1)基本の要件

基本の要件は、次のアからエまでのとおりです。

 
農地等を利用する者 買い手 借り手
個人・法人の別 個人 農地所有
適格法人
​個人 農地所有
適格法人
農地所有適格
法人以外の法人
ア 全部効率利用要件
イ 農地所有適格法人要件
ウ 農作業常時従事要件
エ 地域との調和要件

なお、買い手の条件の1つであった「下限面積要件」は、令和5年3月31日限りなくなりました。

 ・下限面積要件に係る別段の面積の廃止

ア 全部効率利用要件(農地法第3条第2項第1号)

周南市農業委員会では、周南市農業委員会全部効率利用要件の確認に係る事務処理要領(令和6年3月1日施行)を定めています。

 ・周南市農業委員会全部効率利用要件の確認に係る事務処理要領 [PDFファイル/289KB]

許可申請により権利を取得しようとする者(買い手や借り手。以下「申請者」といいます。)またはその世帯員等(以下これらを「申請者等」といいます。)が権利を有している農地等が市内に所在する場合は現地調査により、市外に所在する場合は耕作証明書または全部効率利用要件確認書による書面調査により市内外の保有農地等の耕作等の状況及び申請地の耕作等(農地復元計画書による農地復元を含みます。)の確実性・可能性を把握した上で、許可申請書、営農計画書等により、申請者等の経営規模、作付作目等を踏まえて、次の(ア)、(イ)、(ウ)の要素等を総合的に勘案して判断します。

 
(ア)機械 申請者等が所有している機械のみならず、リース契約により確保されているものや、今後確保すると見込まれるものも含みます。
(イ)労働力 農作業等に従事する申請者等の人数のみでなく、雇用によるものや、今後確保すると見込まれるものも含み、これらの者の配置の状況も勘案します。
(ウ)技術 申請者等に限らず、農作業等に従事する者の技術をいいます。なお、農作業の一部を外部に委託する場合には、申請者等に加え、委託先の農作業に関する技術も勘案します。

 ・耕作証明書・証明願 [PDFファイル/128KB] 
  耕作証明書・証明願 [Wordファイル/37KB]

 ・全部効率利用要件確認願・確認書 [PDFファイル/121KB]
  全部効率利用要件確認願・確認書 [Wordファイル/35KB]

 ・農地復元計画書 [PDFファイル/99KB]
  農地復元計画書 [Wordファイル/33KB]

 ・営農計画書 [PDFファイル/112KB]
  営農計画書 [Wordファイル/33KB]

イ 農地所有適格法人要件(法人の場合)(農地法第3条第2項第2号)

周南市農業委員会では、周南市農業委員会農地所有適格法人の要件審査及び報告手続等に係る事務処理要領(令和6年10月10日施行)を定め、この要領の中で、農地所有適格法人の要件審査を規定しています。

 ・周南市農業委員会農地所有適格法人の要件審査及び報告領手続等に係る事務処理要領 [PDFファイル/550KB]

許可申請書並びに許可申請書に添付された法人調書、定款または寄附行為の写し、組合員名簿または株主名簿の写しにより、法人形態要件、事業要件、議決権要件、役員要件を満たすか否かを確認し、農地所有適格法人であるかを判断します。

 ・法人調書 [PDFファイル/253KB]
  法人調書 [Wordファイル/52KB]

ウ 農作業常時従事要件(個人の場合)(農地法第3条第2項第4号)

申請者等が、その取得後において行う耕作または養畜の事業に必要な農作業に常時従事するのかを判断します。

「耕作または養畜の事業に必要な農作業」とは、その地域の農業経営の実態からみて通常農業経営を行う者が自ら従事すると認められる農作業をいいます。
したがって、その地域において農業協同組合その他の共同組織が主体となって処理することが一般的となっている農業作業はこれに含まれないものとします。

「農作業に常時従事する」とは、原則として、農作業に従事する日数が年間150日以上としますが、農作業に要する日数が年間150日未満である場合であっても、その農作業を行う必要がある限り申請者等がその農作業に従事していれば、「農作業に常時従事する」と認めるものとします。

エ 地域との調和要件(農地法第3条第2項第6号)

農業は、周辺の自然環境等の影響を受けやすく、地域や集落で一体となって取り組まれていることも多いことから、申請者等が、その取得後において行う耕作または養畜の事業の内容、農地等の位置及び規模からみて、農地の集団化、農作業の効率化その他周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合には、許可をすることはできないものと判断します。

「農地の集団化」に支障が生じる場合とは、集落営農や経営体がまとまった農地(集団化している農地)を利用している地域で、その利用を分断するような場合などです。

「農作業の効率化」に支障が生じる場合とは、地域の農業者が協力して水田等の水管理(水利調整)を行っている地域で、その水利調整に参加しない営農を行うことにより、他の農業者の農業水利が阻害されるような場合、有機農業や減農薬での付加価値の高い作物の栽培の取組が行われている地域で、化学肥料や農薬を使用し、地域でこれまで行われていた有機農業等が事実上困難になるような場合、集落が一体となって特定の品目を栽培している地域で、その品目に係る共同防除等の営農活動に支障がある場合などです。

「周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用」に支障が生じる場合とは、地域の水準よりも極端に高い借賃で農地を借り受け、地域の一般的な借賃を著しく引き上げるおそれがある場合、地域計画、農業振興地域整備計画、農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想(基本構想)等の実現に支障を生ずるおそれがある場合などです。

(2)解除条件付き貸借の要件

農地所有適格法人以外の法人または農作業常時従事要件が認められなかった個人(以下これらを「農地所有適格法人以外の法人等」といいます。)が農地等を借りる場合には、(1)アの全部効率利用要件及び(1)エの地域との調和要件に加えて、次のア、イ及びウ、が要件となっています。
​なお、これらア、イ及びウを「解除条件付き貸借の要件」といいます。

 
農地を利用する者 借り手
個人・法人の別 農地所有適格法人
以外の法人
個人※
ア 貸借契約書に解除条件が付されていること
イ 地域の他の農業者と適切に役割分担し、継続的・安定的に農業経営が行われること
ウ 業務を執行する役員等の1人以上が、法人が行う耕作(養畜)の事業に常時従事すること

※ 基本の要件の中の農作業常時従事要件が認められなかった個人に限る。

周南市農業委員会では、周南市農業委員会農地所有適格法人以外の法人等の要件審査及び報告手続等に係る事務処理要領(令和6年10月10日施行)を定め、この要領の中で、農地所有適格法人以外の法人等の要件審査を規定しています。

 ・周南市農業委員会農地所有適格法人以外の法人等の要件審査及び報告手続等に係る事務処理要領 [PDFファイル/557KB]

ア 貸借契約書に解除条件が付されていること(農地法第3条第3項第1号)

許可申請書に添付された貸借契約書またはこれに類する書類(以下「契約書」といいます。)の写しにより、申請者がその取得後においてその農地等を適正に利用していない場合には、貸借契約を解除する旨の条件(解除条件)が契約書に記載されているかを確認します。

さらに、貸借を解除して撤退した場合の混乱を防止するため、次の(ア)から(エ)までの事項が契約上明記されているか、(ア)から(エ)までの事項その他撤退した場合の混乱を防止するための取決めを実行する能力があるかについても確認します。
(ア)農地等を明け渡す際の原状回復の義務は誰にあるか。
(イ)原状回復の費用は誰が負担するか。
(ウ)原状回復がなされたときの損害賠償の取決めがあるか。
(エ)貸借期間の中途の契約終了時における違約金支払の取決めがあるか。

イ 地域の他の農業者と適切に役割分担し、継続的・安定的に農業経営が行われること(農地法第3条第3項第2号)

申請者が地域の農業における他の農業者との適切な役割分担の下に継続的かつ安定的に農業経営を行うと見込まれることは、(ア)及び(イ)に掲げる方法により確認を行うものとします。

(ア)「適切な役割分担の下に」とは、おおむね次のa、b、cをいい、営農計画書の記載内容により、さらに、これらを記載した確約書が農業委員会に提出されることによっても確認します。
a 農業の維持発展に関する話し合い活動への参加
b 農道、水路、ため池等の共同利用施設の取決めの遵守
c 獣害被害対策への協力

 ・確約書(営農計画書添付用・役割分担確認用) [PDFファイル/151KB]
  確約書(営農計画書添付用・役割分担確認用) [Wordファイル/31KB]

(イ)「継続的かつ安定的に農業経営を行う」とは、機械や労働力の確保の状況等からみて、農業経営を長期的に継続して行う見込みがあることをいい、営農計画書の記載内容により確認します。

ウ 業務を執行する役員等の1人以上が、法人が行う耕作(養畜)の事業に常時従事すること(法人の場合)(農地法第3条第3項第3号)

申請者が法人である場合にあっては、その法人の業務を執行する役員または使用人のうち、1人以上の者がその法人の行う耕作または養畜の事業に常時従事すると認められることは、次の(ア)、(イ)、(ウ)に留意し、法人調書、定款または寄附行為の写し及び組合員名簿または株主名簿の写しにより確認を行うものとします。

(ア)「業務を執行する役員または使用人のうち、1人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められる」とは、業務を執行する役員(以下「業務執行役員」といいます。)または重要な使用人(以下これらを「業務執行役員等」といいます。)のうち1人以上の者が、その法人の行う耕作又は養畜の事業の担当者として、農業経営に責任をもって対応できるものであることが担保されていることいいます。

(イ)「耕作又は養畜の事業に常時従事する」とは、農作業に限定されるものではなく、営農計画の作成、マーケティング等の企画管理労働も含むこととします。

(ウ)「業務執行役員等」とは、会社法上の取締役のほか、支店長、農場長、農業部門の部長その他いかなる名称であるかを問わず、その法人の行う耕作または養畜の事業に関する権限及び責任を有し、地域との調整役として責任を持って対応できる者をいい、権限及び責任を有するか否かの確認は、法人の登記事項証明書、その法人の代表者が発行する証明書、その法人の組織に関する規則(使用人の権限及び責任の内容及び範囲が明らかなものに限ります。)等で行うこととします。

7 解除条件付き貸借の要件を満たすことにより許可をしようとするときの市長への通知(農地法第3条第4項)

農業委員会は、解除条件付き貸借の要件を満たすことにより許可をしようとするときは、あらかじめ(総会に議案を上程するまでに)、その旨を市長に通知します。

通知を受けた市長は、市の区域における農地等の農業上の適正かつ総合的な利用を確知する観点から、必要があると認めるときは、農業委員会に意見を述べることができます。

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