糖尿病性腎症重症化予防プログラム
糖尿病と合併症
糖尿病はインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が正常より多くなる病気です。インスリンは血糖を下げる唯一のホルモンです。
初期の段階では自覚症状がほとんどなく、糖尿病になっていることに気が付かない方もいます。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、神経障害や失明、腎不全を引き起こします。
さらに、糖尿病は大きな血管も傷つけ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすことも知られています。
糖尿病の病型は、大きく分けると1型糖尿病と2型糖尿病があります。このうち2型糖尿病は遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの生活習慣が大きく影響しているといわれています。
この疾患の対策としては、生活習慣の改善・早期発見・合併症の予防が重要です。
糖尿病性腎症とは
糖尿病の合併症の一つに糖尿病性腎症があります。高血糖状態が続くと腎臓の毛細血管を傷つけ、腎臓の機能を低下させます。腎機能が低下すると、血液中の老廃物を尿として排出できなくなり、進行すると人工透析が必要となります。
人工透析導入患者の主要原疾患は糖尿病性腎症が第1位となっています。
人工透析は、週に2~3回、4~5時間かけて血液をろ過する治療です。手術も必要となり、日々、塩分やカロリー制限、水分制限などの厳しい管理が必要となり、透析による疲労感やだるさも大きく、仕事にも影響する可能性が高まります。
また、医療費が一人あたり年間約500万円かかります。助成があり自己負担は低く抑えられていますが、透析患者が増えると医療保険の大きな負担となります。
糖尿病が重症化し、人工透析などの高額な治療に移行しないよう、早めのケアが必要です。
(厚生労働省)動画_糖尿病性腎症について「知って備えよう!糖尿病性腎症」<外部リンク>(youtubeに遷移します)
糖尿病性腎症重症化予防事業(糖尿病性腎症重症化予防プログラム)
糖尿病の重症化リスクの高い方に対し、医療機関への受診勧奨や、保健指導を実施しています。
プログラムの目的
市と医療機関等が連携し、糖尿病が重症化するリスクの高い方を継続的な治療に結びつけるとともに、保健指導などの取組みにより、腎不全や糖尿病性腎症等で通院する方の人工透析への移行を予防し、市民の健康増進と医療費の抑制を図ります。
(山口県)糖尿病性腎症重症化予防の取組について<外部リンク>
プログラム内容
◆対象者
周南市国民健康保険加入者で、糖尿病の重症化リスクの高い以下に該当する方
特定健康診査や人間ドック等の結果から、血糖値、HbA1c値が高値の方
2型糖尿病の治療中で、腎機能低下がみられている方
◆取組内容
- 医療機関への受診勧奨
受診勧奨の通知があった場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。 - ハイリスク者への保健指導
対象者にはかかりつけ医もしくは市から案内があります。
かかりつけ医の治療を継続しながら、周南市立新南陽市民病院、徳山中央病院の協力のもと、医師・糖尿病療養指導士(看護師、薬剤師)・管理栄養士など糖尿病の専門スタッフが約6か月間、生活習慣改善に向けたサポートを行います。
保健指導について
◆実施場所
周南市立新南陽市民病院または徳山中央病院のいずれか
◆実施期間
例年7月頃から概ね6か月
◆参加費
無料
◆指導の流れ
かかりつけ医での治療は継続しながら、糖尿病の専門スタッフによる個別指導(面接4回、電話指導2回)
◆指導内容
かかりつけ医の治療方針に従い、食事や運動などの生活習慣を振り返り、糖尿病の重症化を予防します
かかりつけ医、保健指導参加者の声
※いただいたアンケートより一部抜粋しています。
(かかりつけ医より)
- 糖尿病に対する気持ちの向き合い方に変化があったようだ
- 現在の自身の状況をしっかり把握でき、意識の向上につながったようだ
- (患者から)何度も行くことが大変だったが、とてもためになったと聞いた
- 患者本人の病気に対する知識が深まり、血糖値やHbA1cの結果を気にされるようになった
(保健指導参加者より)
- 生活習慣改善、栄養指導の話を分かりやすく説明してもらい大変参考になった
- 面接の日が楽しみだった
- 管理栄養士さんのレクチャーは大変勉強になった
- やみくもに野菜を食べなさいということではなく、その具体的な方法(調理・味付け・素材)まで教えてもらい、苦痛を感じない改善ができているように思う
生活習慣の見直し、改善にお役立てください。ご参加をお待ちしております。