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農地等の貸借の解約等

印刷用ページを表示する更新日:2026年6月1日更新 <外部リンク>

1 農地等の賃貸借を解約等する場合の許可制度(農地法第18条)

農地または採草放牧地(以下「農地等」といいます。)の賃貸借の当事者が、賃貸借の解除、解約の申入れ、合意による解約、更新をしない旨の通知をする場合は、農業委員会の許可を受けなければなりません(農地法(昭和27年法律第229号)第18条本文)。

許可を受けないでした解除や解約の申入れ等の行為は、その効力が生じません(農地法第18条第5項)。

(1)許可の対象等

 

対象
(農地法第18条第1項本文)

農業委員会に許可申請

・解除
・解約の申入れ
・合意による解約
・更新をしない旨の通知

許可不要
(農地法第18条第1項ただし書)

農業委員会の許可は不要です(許可申請する必要はない)が、その旨を通知しなければなりません。
(農地法第18条第6項)

・信託財産について行う解約の申入れ、合意による解約、更新をしない旨の通知
・農地等を引き渡すこととなる期限前6か月以内に成立した合意でその旨が書面で明らかである場合の合意による解約
・農事調停に基づく合意による解約
・10年以上の期間(この場合の10年以上の始期は、その期間を定めた日)の定めがある賃貸借について行う更新をしない旨の通知
・水田裏作を目的とする賃貸借について行う更新をしない旨の通知

農業委員会の許可は不要ですが、解除を届け出なければなりません。
(農地法第18条第1項第4号)

・解除条件付き貸借の要件による許可を受けて設定された賃借権について、賃借人が農地等を適正に利用していないと認められる場合に農業委員会に届け出て行う解除

農業委員会の許可は不要です。
(農地法第18条第1項第5号)

・農地中間管理機構が農地中間管理事業の推進に関する法律の規定により設定された賃貸借権について、県知事の承認を受けて行う解除

 ・農地等賃貸借解約等許可申請書 [PDFファイル/217KB]
  農地等賃貸借解約等許可申請書 [Wordファイル/39KB]

 ・農地等賃貸借解除届出書 [PDFファイル/126KB]
  農地等賃貸借解除届出書 [Wordファイル/35KB]

 ・農地等賃貸借解約等通知書 [PDFファイル/135KB]
  農地等賃貸借解約等通知書 [Wordファイル/36KB]

ア 解除

賃借人が賃料を滞納するなど賃貸借の当事者の一方に債務不履行がある場合に、相手方がそれを理由として賃貸借の法律関係を将来に向かって打ち切る単独行為です(民法(明治29年法律第89号)第541条、第620条)。

イ 解約の申入れ

賃貸借契約で期間の定めがないものについて、その当事者の一方が一定の猶予期間をおいた後に賃貸借契約を終了させる行為です。
したがって、農地のように収穫季節のある土地の賃貸借については、作物収穫後次の作付け前に行うことを必要としています(民法第617条、第618条)。
この解約の申入れは、当事者の一方が、その相手方に対して解約の申入れをすれば、その後1年を経過した時に賃貸借を終了させる効果を持っています。

ウ 合意による解約

合意解約とは、賃貸借の途中で、当事者双方の合意によってその契約関係を解消させることです。
解約を目的とする契約を結ぶといってもよいです。

エ 更新をしない旨の通知(更新拒絶の通知)

期間の定めのある賃貸借について、その期間が満了した後は賃貸借関係を継続しない旨の意思表示により賃貸借を終了させる行為です。

(2)許可の判断基準(農地法第18条第2項)

次のいずれかに該当する場合に許可されます。

ア 賃借人が信義に反した行為をした場合

・賃借人が、催告を受けたにもかかわらず借賃を支払わない場合
・賃貸人に無断で他に転貸したり農地以外に転用した場合
・特別の事由もなしに不耕作としている場合 等
このような、所有者に従来どおりの賃借関係を継続させることが客観的にみて無理であると認められるような場合

農地等の賃貸借は、継続的な法律関係であるから、当事者間の信頼関係を前提として成立しています。
したがって、賃借人の側に、その信頼関係を打ち破り、賃貸人をしてこれ以上賃貸借関係を継続させることが客観的にみて無理であると認められるような信義に反する行為があった場合には、その賃貸借を解除できるものとしています。
民法では、賃借人に賃料の滞納等の債務不履行があり、賃貸人がその債務の履行を催告したにもかかわらず、相当の期間内にその履行がされなかった場合(民法第541条)あるいは賃借人が賃貸人の承諾を受けないで賃借権の譲渡、賃借地の転貸をした場合(民法第612条)には、賃貸人は賃貸借を解除することができることとされています。
賃借人に何らやむをえない事情がないのにこのような行為をした場合には、上記の信義に反した行為に該当しますが、このようなことに至ったことにやむをえない事情が認められ、賃借人の立場にあれば誰もがそうしたであろうと認められるような場合には、信義に反する行為に該当しないということができます。
したがって、このようなやむをえない事情がある場合には、債務不履行や賃借地の転貸があっても、賃貸借の解除を許可することは許されません。

イ 農地等を転用することを相当とする場合
ウ 賃借人の生計(法人にあっては、経営)、賃貸人の経営能力等を考慮し、賃貸人がその農地等を耕作又は養畜の事業に供すること(自作)を相当とする場合
エ 遊休農地等の賃借人が農業委員会から農地中間管理権の取得に関する協議の勧告を受けた場合
オ 農地所有適格法人の要件を欠いた法人から貸付地の返還を受ける場合
カ その他正当な事由がある場合
 (ア)賃借人から賃貸借を解除しうる場合
 (イ)賃借人が離農するため賃貸借の解約等をしたい場合
 (ウ)真正な合意による解約でイからエまでに該当しない場合等
 (エ)賃借人が農地を適正かつ効率的に利用していないと認められる場合
   (捨て作り、荒らし作り等)

(3)山口県農業会議の意見聴取(農地法第18条第3項)

農業委員会は、賃貸借の解除、解約の申入れ等の許可をしようとするときは、あらかじめ、山口県農業会議の常設審議委員会の意見を聴かなければなりません。

2 農地等の使用貸借の解約等

1に示すように、農地法第18条では、農地等の賃貸借に限って解約等を制限しており、使用貸借による権利については特別の制限をしていません。
このことは、使用貸借の場合は賃貸借のように対価を伴わない恩恵的な貸借関係であることが多い等権利の内容に違いがあるためです。

「期間満了等による使用貸借の終了」を規定した民法第597条では、第1項で、当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間満了によって終了すること、第2項で、当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了すること、第3項で、使用貸借は、借主の死亡によって終了することを規定しています。

また、「使用貸借の解除」を規定した民法第598条では、第1項で、貸主は、前条(第597条)第2項に規定する場合において、同項の目的に従い借主が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除をすることができること、第2項で、当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができること、第3項で、借主は、いつでも契約の解除をすることができることを規定しています。

貸付人と借受人の双方の合意による使用貸借の解約、民法第597条第2項による使用貸借の終了及び民法第598条各項による使用貸借の解除に係る農地等の使用貸借の解約等は、農地法の手続きに特に決まりはありませんが、その権利については、農地法第3条や農地中間管理事業の推進に法律(平成25年法律第101号)第18条の農用地利用集積等促進計画等による法的な権利であることや経営移譲による農業者年金の支給要件に係る場合がありますので、農業委員会に解約等した旨を通知していただくようお願いしています。

 ・農地等使用貸借解約等通知書 [PDFファイル/145KB] 
  農地等使用貸借解約等通知書 [Wordファイル/50KB]

使用貸借の解約、終了または解除をした旨の通知者及び条件等
解約等の事由 通知者 使用貸借の期間の定め 使用及び収益の目的の定め

使用貸借の解約、終了
または解除の手続き

合意解約

貸付人
借受人

― ― 貸付人と借受人の双方の合意により解約する。
民法第597条第2項 借受人 なし あり 借受人がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
民法第598条第1項 貸付人 なし あり その目的に従い借受人が使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、契約の解除することができる。
民法第598条第2項 貸付人 なし なし いつでも契約の解除をすることができる。
民法第598条第3項 借受人 ― ― いつでも契約の解除をすることができる。

 

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