初めて周南市に来られた方には御幸通、岐山通と続く緑豊かな街路樹が印象的のようです。
また、文化会館前からの桜のトンネル650mも好評で、立ち並ぶ樹々の光景は季節を問わず胸騒ぐものがあるようです。
この桜並木の傍に、山口県周南総合庁舎が完成したのは2004年10月でした。
初の県民開放施設としてさくらホールのPRを兼ねた柿(こけら)落としの検討がなされていた中、私は、「華やかな花展を企画していただけないでしょうか」と知人に持ちかけました。
すると、ある一人のお花の先生が「ぜひ私の支部で企画しましょう」と応じてくださいました。
こうして「いけばな展」が開催されることになり、当日はホールいっぱいに見事なお花が咲き誇りました。保育園児や小学生の出品も多数あり、来場された方から「上手ねー!」と声をかけられていました。
「どうして、この花をここに使ったの?」
女の子は人懐っこい表情で私に答えてくれました。
「お花がね『ここに生けて!』って言うの」
私は言葉を失いました。花のいのちを慈しみ、愛で、慮ることまでできる清純な心に突然出会った驚きでした。
あれから17年、あの子はきっと素敵なお嬢さんになられていることと思います。
私は、花と語り合えるように心掛ける毎日です。