4月1日、周南公立大学が開学します。この日、学園台のキャンパスは祝賀に染まり、若者の笑顔と歓声に包まれる一日になることでしょう。
日本では、1877年に東京大学が設置された後、1896年の京都大学までの20年間、大学の新設はありませんでした。だから明治の小説やドラマでは、学生といえば東大生が登場するわけです。もっとも当時の学生は、市井の尊敬を集めるに十分な品性と自律心を備えていたようです。
20世紀に入ると各地に大学が創立されました。大学の近くには学生のまちができ、学生と住民の「素敵な関係」も生まれてきました。
「仕送りが来るまでいいよ」
粋なご飯屋さんがあったり、学割が至る所で通用したり、「学生さん」と「さん」づけするなど、おおらかで優しい風土が育ちました。
この度、私たちは周南公立大学に多くの若者を迎えます。まちは「学生さん」を愛情深く包み、「学生さん」はまちを刺激し一緒に汗も流す、そうした「豊かな関係」を築きたいものです。
入学されるみなさん、私たちの大学にようこそ。これから始まる学生生活が、生涯の記憶に残る愛おしい日々となりますように願っています。