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市長コラム(令和4年6月)~夏支度~

印刷用ページを表示する更新日:2022年6月1日更新 <外部リンク>

寄り添いあうまち ~市長コラム

2022.6 夏支度

平安時代の「更衣」のならわしは衣替えとして庶民に広まり、季節の変わり目を意識させる日となりました。かつて学校では6月1日が衣替えの日とされ、誰もが真っ白な制服で登校するこの日の朝は、何もかもが新鮮で清々しく感じられたものでした。

衣替えが近づくと、私は箪笥から子どもたちの夏服を取り出し、布生地の傷みやサイズを確認してその日に備えました。いつしかこの年中行事は、わが子の成長を顧みるものとなっていました。夏支度は自然界でも同様です。その使者は揚子江流域から日本の南岸にかけて停滞する前線といわれています。

梅雨を「つゆ」と訓読みすると「露」の湿っぽさを感じますが、「青梅雨」という美しい表現もあります。「青梅雨」は草木の緑を濡らし、生気を与え、色を深め、景色を青々と染め上げていく美の演出家です。

梅雨の魅力は束の間の雨上がりにもあります。小雨の日、須々万から杉ヶ峠トンネルを抜けると水墨画の世界が一気に広がります。峠は標高が456m、狭隘な谷底との標高差が大きいため、峰々に至る広大な人工林に霧が立ち昇り、雨上がりには遥か徳山湾を眺望することもできます。今年も雨の日を楽しみながらも、災害が起きませんようにと願う季節が巡ってきます。

杉ヶ峠からの眺め