立春ののち暫くは「春は名のみの風の寒さや」で始まる『早春賦』のような日々が続きます。やがて寒気が緩むと「春告鳥」の囀りを聞く日がやってきます。緑がかった褐色の小鳥の初音ほど、春を待ちわびる心に染み入る調べはありません。
視界も徐々に色彩が加わります。金田一春彦博士によると、この頃を「木芽時」といい、木も草も一斉に芽を出し春の開幕を告げる季節となります。
植物の芽は「芽ぐむ」「芽ざす」「芽ばる」「芽だつ」「芽吹く」という順に育ち、草は「芽ばえる」「もえる」というのだそうです。(『ことばの歳時記』新潮社)
如月は、私たちの暮らしでも「木芽時」といえるでしょう。この時期、受験生をはじめ、新たな生活に挑戦をされる方も多いことと思います。お一人お一人の志が遂げられますように、嬉しい春となりますようにと、心からエールを送りたいと思います。
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