大津島小学校のグラウンドの北西側の隅にある点火試験場は、木造のセメント瓦葺の建物で、木造の構造物としては、唯一ほぼ完全な形で残されています。
この施設では、「回天」のエンジンに点火するための火管(かかん)という装置が正常に作動するかどうか試験していました。エンジンが正常に点火した場合は熱走、点火しない場合は冷走といい、冷走になると「回天」は走行を続けることができません。冷走は「回天」のエンジントラブルの中でもよく起こる現象の一つであったため、この建物内で行われる点火試験は非常に重要な作業でした。
なお、その作業には、島に住む女子挺身隊員も従事していました。